マーケティング代理店のレポート、元のアカウントと照合すべき数値

代理店の選び方・契約 更新 11分で読めます

マーケティング代理店のレポートの数値は、プロパティ・期間・フィルタ・指標の定義を合わせて元のアカウントで改めて確認した値と一致する項目までしか信頼できません。元のアカウントの閲覧権限がなければこの照合はできないため、権限のレベルは契約の段階で代理店と決めます。

検索流入が増えたという棒グラフに、どのアカウントでどの期間を対象に確認した値なのかという注記がなければ、同じ月をSearch Consoleで改めて確認した数値と食い違ったとき、どちらの値に従うべきか決められません。

1. マーケティング代理店のレポートと元のアカウントの関係

代理店レポートの表示回数・クリック数・セッション・コンバージョン・広告コンバージョンはSearch Console・GA4・広告の管理画面で改めて確認できますが、AI回答での露出には確認できる元のアカウントがありません。

レポートの数値 元の画面 改めて確認するときに合わせる条件
表示回数・クリック数・平均掲載順位 Search Consoleの検索パフォーマンスレポート プロパティ、期間、検索タイプ、ディメンションのタブ、デバイス・国のフィルタ
セッション、コンバージョン(キーイベント) GA4のレポート プロパティ、期間、キーイベント名、イベントスコープ・セッションスコープのディメンション
広告のクリック・費用・コンバージョン 各広告の管理画面 期間、コンバージョンアクション、カカオモーメントの1日・7日基準
AI回答での露出 元のアカウントなし 質問リスト、エンジン、確認日時・回数、回答原文

PIONが公開しているGEO代行の追跡指標も、元のアカウントがあるものとないものに分かれます。そのうちGA4のAIツールからのリファラー(referrer)流入、Google・Bingのインデックス登録の状態、Core Web Vitalsは、顧客にGA4・Search Console・Bingウェブマスターツールの閲覧権限があれば直接確認できます。

2. Search Consoleで改めて確認する表示回数・クリック数

代理店レポートの表示回数・クリック数の項目を1つ選び、検索パフォーマンスレポートで同じプロパティ・期間・検索タイプ・ディメンションのタブで改めて確認した値が照合の基準です。

  1. レポートで表示回数とクリック数が一緒に記された項目を1つ選びます。サイト全体の値ならグラフの合計を、検索語ごとの値なら検索キーワードタブのその検索語の行を照合します。
  2. 代理店レポートと同じプロパティ(ドメインプロパティなのか、URLプレフィックスプロパティなのか)を開き、期間・検索タイプ・デバイス・国のフィルタとディメンションのタブをレポートと同じに合わせます。
  3. 2つの値が一致しなければ、プロパティ・期間の境界・フィルタ・デバイスの区分のうち、どの条件が食い違っているのかを代理店に尋ねます。

検索パフォーマンスレポートの概要と基本設定には、「グラフのデータはプロパティ単位で集計されます」と「グラフの合計が表の合計と異なる場合があります」と記されています。検索キーワードタブとページタブの合計が食い違う理由はGoogle Search Consoleの使い方:画面に表示される指標の意味にあります。

Search Consoleのデータは「通常2〜3日以内に公開されます」(Search Consoleのデータについて)。そのため、前月の値は月末から3日が過ぎた後に確認します。同じドキュメントによると「各日のデータには、カリフォルニアの現地時間に基づくラベルが付けられます」。GA4の日付はプロパティのタイムゾーンに従うため、レポートのクリック数はSearch Consoleの値と、セッションはGA4の値と別々に照合します。

代理店が上位表示の検索語を成果として記載しているのに、Search Consoleでその検索語のクリックが0なら、次のレポートからクリック数も併せて記載するよう依頼します。順位が高いのにクリックがない原因はGoogleで上位表示されているのにクリックがない理由にあります。

3. GA4で改めて確認するセッション・コンバージョン

GA4では代理店レポートと同じプロパティ・期間・キーイベント名で確認し、チャネル別のコンバージョンは、イベントスコープとセッションスコープのディメンションのどちらで確認したかを合わせて照合します。

アトリビューション設定を選択するのヘルプには「レポート用のアトリビューション モデルを変更すると、過去のデータと今後のデータに適用されます」と記されています。この変更はデフォルト チャネル グループ・参照元・メディアのようなイベントスコープのディメンションのコンバージョンに反映され、セッションの参照元のようなセッションスコープのディメンションには反映されません。レポートにモデル名がなければ、プロパティの設定を変えずに代理店にモデルを尋ねます。

イベントスコープのディメンションのコンバージョンは、アトリビューションのクレジットが「キーイベントが記録された後、最大12日間変更される可能性があります」(GA4のデータの更新頻度)。前月のチャネル別コンバージョンは、月末から12日が過ぎた後に確認した値同士で比較します。

アナリティクスのセッションについてによると「デフォルトでは、セッションはユーザーの操作が止まってから30分後に終了(タイムアウト)します」。このタイムアウト時間はウェブデータストリームのタグ設定で変更できます。GA4プロパティでは「既知のボットやスパイダーによるトラフィックは自動的に除外されます」(既知のボットトラフィックの除外)。同じプロパティでセッション数が食い違う場合は、セッションのタイムアウト時間を変えたか、レポートに追加で適用したフィルタがあるかを代理店に尋ねます。

4. 広告管理画面の指標のアトリビューション期間と変動

広告のコンバージョン数は、クリック後のコンバージョンを数える期間と事後の調整によって変わるため、代理店レポートに媒体ごとの集計期間と確認日が記されていなければ、顧客は元データと照合できません。Google Adsのコンバージョン トラッキング期間についてによると「検索キャンペーンとディスプレイ キャンペーンでは、コンバージョン トラッキング期間をカスタマイズしない場合、コンバージョンには30日間のデフォルトのトラッキング期間が適用されます」。トラッキング期間を変更すると「それ以降に発生するすべてのコンバージョンに適用されます」。そのため、月の途中でトラッキング期間を変更した月のコンバージョン数には、変更前と変更後の期間でそれぞれ集計したコンバージョンが混在しています。

Google Adsでは、無効なトラフィックの遡及的な除外、遅れて報告されるコンバージョン、月末の調整のため、「イベントの発生から1日以上経過した後にレポートの指標が更新される場合があります」(データの更新頻度について)。

カカオモーメントのコンバージョンレポートはどのように確認できますか?のヘルプによると、1日基準のコンバージョンは「広告クリック後24時間に収集されたコンバージョン指標」、7日基準のコンバージョンは「広告クリック後7日間に収集されたコンバージョン指標(クリック後24時間に収集されたコンバージョン指標も含む)」です。元の画面では、レポートのコンバージョン列と同じ期間を選んで確認します。

Naver広告のレポートのコンバージョンは「広告からの流入後に発生するコンバージョン行動についてのみ」提供されます(Naver広告ウェブコンバージョントラッキングガイド、Version 20260609_01)。オンラインストアの注文数には広告を経由しない注文も含まれるため、レポートのNaver広告の購入コンバージョンは広告レポートと照合します。

5. レポートと元データが食い違う理由の分類

レポートと元データの数値は、プロパティ・期間の境界、フィルタ・集計単位、アトリビューション期間・モデル、設定変更、事後の調整によって食い違います。

食い違う理由 差が出る指標 照合する項目
プロパティ・期間の境界 表示回数・クリック数、セッション、コンバージョン ドメイン・URLプレフィックスプロパティ、日付ラベルのタイムゾーン、公開の遅延
フィルタ・集計単位 表示回数・クリック数 検索タイプ、デバイス・国のフィルタ、表の1,000行の表示上限
アトリビューション期間・モデル チャネル別コンバージョン、広告コンバージョン コンバージョン トラッキング期間、1日・7日基準、イベントスコープ・セッションスコープのディメンション
設定変更 セッション、コンバージョン セッションのタイムアウト時間、キーイベント名、コンバージョンアクション
事後の調整 広告のクリック・費用・コンバージョン、GA4のコンバージョン 確認日(遡及的な除外、遅れて報告されるコンバージョン、アトリビューションのクレジットの変更)

6. 照合を終えた後に代理店に尋ねる質問

照合を終えたら、代理店に確認条件、設定変更の履歴、元のアカウントがない数値の算出方法を尋ねます。

  1. この値をいつ、どのプロパティ・画面で、どの期間・フィルタ・定義で確認したのかを尋ね、回答がなければ翌月から数値の横に確認条件を記載するよう依頼します。
  2. 前月以降にキーイベント名、アトリビューション モデル、コンバージョン トラッキング期間、セッションのタイムアウト時間のうち変わったものがあれば、変更日と変更前の値を受け取ります。
  3. 自社ツールの順位スコア、推定トラフィック、AI回答での露出を、どのデータで算出したのかを尋ねます。

PIONはGEO代行サービスのご案内で、GEO代行の効果を比較するには最低3か月のデータが必要だと明らかにしています。代理店の報告を受ける前に自社のAI回答への準備度を別途点検するには、AI回答での露出 基礎チェックの8問に答えます。結果は自分で回答した内容を集計した自己点検スコアのため、代理店レポートの数値と混ぜません。

よくある質問

マーケティング代理店から届く月次レポート、どこまで信じていいの?

Search Console(表示回数・クリック数)、GA4(セッション・コンバージョン)、各広告の管理画面(広告コンバージョン)で、レポートと同じプロパティ・期間・基準で改めて確認し、値が一致した数値までは信頼できます。元のアカウントの閲覧権限がなければ、この照合はできません。PIONはGEO代行で毎月レポートを提供しており、追跡指標のうちGA4のAIツールからのリファラー流入は、顧客にGA4の閲覧権限があれば同じ期間で改めて確認できます。AI回答での言及頻度のように元のアカウントがない指標は、顧客がPIONに算出方法を尋ねて照合します。

SEO代理店のレポートのキーワード順位は、何と照合すればよいですか?

Search Consoleの検索パフォーマンスレポートの検索キーワードタブにある平均掲載順位で照合します。代理店レポートと同じプロパティ・期間・国・デバイスのフィルタで検索キーワードタブを確認し、自分で検索した画面の順位は、検索した時間・場所・デバイスや検索履歴によって変わるため照合の対象から外します。検索パフォーマンスレポートの表は最大1,000行までしか表示しないため、レポートの検索語が表にない場合は、まず検索キーワードのフィルタで確認します。フィルタでも表示されないときは、その値をどの画面で確認したのかを代理店に尋ねます。

代理店レポートのコンバージョン数とGA4の画面のコンバージョン数が異なる場合、どちらが正しいですか?

同じプロパティ・期間・キーイベント名で改めて確認したGA4の値が照合の基準です。GA4のヘルプによると「データの処理には24〜48時間かかることがあります。この間、レポートのデータが変わる可能性があります」。チャネル別のコンバージョンは、イベントスコープとセッションスコープのディメンションのどちらで確認したかを合わせ、それでも値が食い違う場合は、レポート作成後に変わったGA4の設定があるかを代理店に尋ねます。

広告レポートのコンバージョン数は、媒体ごとにどのように集計されますか?

Google Adsの検索・ディスプレイキャンペーンは、コンバージョン トラッキング期間をカスタマイズしなければ30日が適用され、カカオモーメントのコンバージョンレポートは1日基準と7日基準のいずれかを選んで確認します。そのため、レポートのコンバージョン列ごとに媒体の集計期間が記されていなければ、顧客は元の画面で同じ条件で改めて確認できません。

GEOマーケティング代理店が報告するAI回答での露出には元のアカウントがありませんが、何と照合すればよいですか?

代理店から受け取った回答原文で照合します。レポートに質問ごとの確認日時・エンジン・確認回数・言及回数が記されているかを点検し、ブランドの言及はその原文で探します。顧客が同じ質問を改めて入力して得た回答は、確認日時とアカウントの状態が代理店の確認と同じではないため、代理店の記録が正しいかを判定する値にはなりません。

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