テクニカルSEOの必須チェック条件、開発チームに渡すチェック表
代理店のレポートにテクニカルSEOの改善が必要だとだけ書かれていて、どの項目をどの基準で直すのかがなければ、開発チームに送る依頼書は書けません。
依頼書に項目・確認方法・合格基準・根拠ドキュメントの4つの欄があれば、開発者がそのまま作業チケットとして受け取れます。点検表の合格基準の欄は、Google検索セントラルとweb.devの公式ドキュメントから取りました。
1. 開発チームにそのまま渡す点検表の8項目
項目・確認方法・合格基準・根拠ドキュメントの4つの欄をそろえれば、表1枚が作業依頼書になり、PIONはブランドサイトの診断結果も同じ4つの欄で伝えます。 最初の3項目はGoogle検索の技術要件(2025年12月18日更新)がインデックス対象の最小条件として挙げた「Googlebotがブロックされていない」「ページが機能する」「ページにインデックス登録可能なコンテンツがある」です。
| 点検項目 | 確認方法 | 合格基準 | 根拠ドキュメント |
|---|---|---|---|
| 1. ボットアクセス | /robots.txt を読み込み、User-agent グループごとの Disallow 行を照合 | 公開パスがどのグループの Disallow にも含まれていない | 検索の技術要件 |
| 2. ステータスコード | サーチコンソールのURL検査またはデベロッパーツールのネットワークタブ | 200 | 検索の技術要件 |
| 3. インデックスブロックタグ | ソースで noindex、レスポンスヘッダーで X-Robots-Tag を検索 | 公開ページに noindex がない | 検索の技術要件 |
| 4. 元のHTMLの本文 | JavaScriptをオフにしたブラウザと curl のレスポンスで本文の文を検索 | タイトル・本文・内部リンクが元のHTMLの中にある | JavaScript SEOの基本事項 |
| 5. 正規URL | ソースの rel=canonical の値とURL検査の正規URL欄を照合 | 2つの値が同じ | 正規URLの指定方法 |
| 6. 内部リンクのアドレス | メニューと一覧のリンクアドレスを5番の値と照合 | 別形式のURLではなく正規アドレスにリンクされている | 正規URLの指定方法 |
| 7. ページエクスペリエンス | PageSpeed Insights またはサーチコンソールの Core Web Vitals レポート | 75パーセンタイルで LCP 2.5秒、INP 200ミリ秒、CLS 0.1 以下 | Web Vitals |
| 8. AI検索ボットのルール | 同じ robots.txt でボット名ごとのグループを照合 | 検索用ボットが Disallow: / でブロックされていない | RFC 9309、Anthropic クローラーの案内 |
判定には代表ページ3つあれば十分です。ホーム、主力サービスページ、最近の記事1つを選んだうえで、順番にチェック結果を記入します。
- /robots.txt を読み込み、1番と8番の項目の User-agent グループを表の横に書き写します。
- ブラウザ設定でJavaScriptをオフにし、3つのページを再度読み込みます。タイトル・本文・内部リンクがそのままであれば4番の項目は合格です。
- 同じアドレスを curl で取得し、本文の文を1つ検索します。結果がなければ4番の項目は不合格です。
- サーチコンソールのURL検査で2・3・5番の項目を、メニューのリンクアドレスで6番の項目を、PageSpeed Insights の結果で7番の項目を判定します。
- 不合格の項目だけを抜き出して開発チームに渡します。合格基準の欄が完了条件で、根拠ドキュメントの欄がその出典です。
2. JavaScriptで描画するページのインデックス条件
Googleはレンダリング段階を別に設けてJavaScriptを実行します。そのため4番項目は、元のHTMLに本文がある場合に合格と定めました。 JavaScript検索エンジン最適化の基本事項を理解する(2026年3月6日更新)は「Googleのリソースが許可されると、ヘッドレスChromiumがページをレンダリングしてJavaScriptを実行します」と説明しています。
レンダリング結果を所有者が確認する手段はありません。同じドキュメントが「ページがクロールおよびレンダリングを待っている場合、すぐに確認する方法はありません」と明記しています。JavaScriptをオフにした画面が空で、curl のレスポンスにも本文の文がなければ、その本文はレンダリング後にのみ現れます。
3. 同じ内容が複数のアドレスにある場合、Googleはどう処理しますか?
Googleは重複するアドレスの1つを正規URLとして選び、パフォーマンスとリンクシグナルをそこに集約します。5番と6番の項目は、その選択を私たちの意図に合わせる作業です。 正規URLを指定する方法(2026年7月15日更新)は rel=canonical を「指定されたURLが正規URLになるべき強力なシグナルです」と記し、サイトマップへの掲載はそれより弱いシグナルとして位置づけています。
開発依頼にそのまま入れられる推奨事項は内部リンクです。同じドキュメントは「正規と見なすURLに一貫してリンクすると、Googleが優先するページを把握するのに役立ちます」と案内しています。トラッキングパラメータが付いたアドレスにリンクされていると、6番の項目は不合格です。
4. Core Web Vitals の合格基準
Googleはランキングシステムが Core Web Vitals を使用すると明らかにしつつも、ページエクスペリエンスに単一のシグナルはないと明記しました。そのため7番項目の合格ラインは、満点ではなく推奨値に定めました。 Google検索結果のページエクスペリエンスを理解する(2025年12月18日更新)は「Google検索のランキングシステムでは Core Web Vitals が使用されます」と記しつつ、他のページエクスペリエンス項目は検索結果の順位を直接高めるわけではないと明らかにしました。
基準値は、Web Vitals(2024年10月31日更新)のドキュメントが良い体験として定めた値です。
- LCP 2.5秒以内
- INP 200ミリ秒以下
- CLS 0.1 以下
測定は「モバイルおよびデスクトップ端末ごとに区別してページ読み込み回数の75パーセンタイル」で定めます。
5. クロールバジェットが該当するサイト規模
ほとんどのブランドサイトには該当しないため、点検表には入れていません。 クロールバジェットの管理(2026年8月5日更新)は対象読者を「固有のページ数が100万個以上」のサイトと「1万個以上でコンテンツが非常に速く変更される(毎日)」サイトに限定し、「ページが公開された当日にクロールされているようであれば、このガイドを参照する必要はありません」と案内しています。
1万個に満たないサイトがクロールバジェットを改善項目として提示されたなら、その根拠を問うべきです。提案書の項目を照合する手順はAEO・GEOマーケティング会社の選び方:確認項目とAIが引用する出典にあります。
6. AI検索ボットのルールはなぜ別に照合するのですか?
robots.txt はボット名ごとにグループが個別に適用されるため、1番項目で Googlebot だけを照合すると、AI検索ボットのルールが点検範囲から外れてしまいます。 RFC 9309は、自分の名前のグループがないボットについて「該当するグループが存在する場合、クローラーは user-agent 行の値が "*" であるグループのルールに従わなければなりません」と記しています。開発中に入れておいた Disallow: / が * グループにそのまま残っていると、AI検索ボットも同じルールを受けます。
ボット名ごとに用途が別にあります。Anthropic のクローラーの案内(2026年4月7日)は Claude-SearchBot が「ユーザー向けの検索結果の品質を改善するためにウェブを巡回します」と記し、ClaudeBot は学習用の収集として分けています。学習用ボットだけをブロックし、検索用ボットは許可することができます。
他の検索ボットが同じレンダリングを経るという記述は公開ドキュメントにないため、4番項目を元のHTML基準としました。代行を検討するなら、契約前に尋ねるべき5つの項目をGEO代行エージェンシーのおすすめ、AIの回答が毎回変わる理由と選定基準にまとめています。
インデックスをブロックする1〜3番の項目が不合格なら、新しく公開した記事もインデックスされません。PIONがサイト点検と公開をどのような順序で担うかはGEO代行サービスのご案内でご確認いただけます。ボットアクセスとインデックスがブロックされているかを先に確認するにはAI回答での露出 基礎チェックを使えばよく、8つの項目がこの点検表と同じ順序です。
よくある質問
テクニカルSEOは何から点検しますか?
ボットアクセス、ステータスコード、インデックスブロックタグの順序です。Google検索の技術要件がインデックス対象となる最小条件としてこの3つを挙げているため、正規URLや Core Web Vitals は最初の3項目が合格した後で初めて意味を持ちます。PIONはブランドサイトを診断する際も、同じ順序で点検表を作成します。
テクニカルSEOの点検表を開発チームにどう伝えますか?
不合格と判定した項目だけを抜き出し、項目・確認方法・合格基準・根拠ドキュメントの4つの欄をそのまま伝えます。合格基準の欄が完了条件になり、根拠ドキュメントの欄が公式ドキュメントのリンクなので、開発者が完了条件を改めて問う必要がありません。表全体を渡すと、すでに合格した項目まで作業対象に入ってしまいます。
JavaScriptで作ったサイトはテクニカルSEOで不利ですか?
元のHTMLに本文があれば不利ではありません。Googleはレンダリング段階でヘッドレスChromiumを使ってJavaScriptを実行するとドキュメントで明らかにしていますが、レンダリングを待っているページをサイト所有者が直接確認する方法はないと同じドキュメントで案内しています。他の検索ボットが同じ処理を行うという記述は公開ドキュメントにないため、JavaScriptをオフにしたブラウザと curl で、元のHTMLに本文があるかどうかを照合します。
Core Web Vitals はどの値に合わせるべきですか?
75パーセンタイルで LCP 2.5秒、INP 200ミリ秒、CLS 0.1 以下が推奨基準値です。Googleはページエクスペリエンスに単一のランキングシグナルはないと明らかにしており、Core Web Vitals 以外のページエクスペリエンス項目は検索結果の順位を直接高めるわけではないと記しました。満点を目標に据える代わりに、3つの指標の推奨値を合格基準とすればよいでしょう。
クロールバジェットも点検項目に入れるべきですか?
固有ページが1万個に満たないサイトであれば、入れなくてもかまいません。Googleのクロールバジェットのドキュメントが対象読者を、固有ページ100万個以上の大規模サイトと、1万個以上で毎日変わるサイトに限定しました。その規模でなければ、サイトマップを最新の状態に保ち、ページのインデックス登録レポートを定期的に確認することで十分だと同じドキュメントが案内しています。
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